ワーホリ・移住前に知っておきたい!バンクーバーの魅力と注意点9選(メリット・デメリットまとめ)

9 Pros and Cons of Living in Vancouver, Canada バンクーバー生活
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こんにちは。バンクーバー在住のMihoです。

前回の記事では、私が海外移住先にカナダ・バンクーバーを選んだ理由についてお話ししました。今回はその続きとして、実際に暮らしてみて感じたバンクーバー生活の魅力と注意点9選(メリットとデメリット)をご紹介します。

海外生活の現実を知っておくことの大切さ

最近のSNSでは、キラキラした海外生活がクローズアップされがちですが、実際に住んでみると、良いことばかりではありません。

これから海外移住やワーキングホリデーを考えている方にとって、理想だけでなく現実を知っておくことは、渡航後のギャップや後悔、不安を減らす大きなヒントになります。
もし留学先や移住先としてバンクーバーを検討している方がいれば、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

それではまず、バンクーバーの魅力からご紹介していきます。

バンクーバーの好きなところ(メリット)

View of downtown Vancouver from Stanley Park

✔ 自然がすぐそばにある生活

住みやすい街ランキングの常連でもあるバンクーバー。中でもその最大の魅力は、自然の豊かさと都市との距離の近さにあります。

街の中心から少し足を伸ばせば、すぐそこに海、山、公園が広がり、まるで自然と都市が共存しているような感覚に包まれます。日常の中で自然と触れ合えることが、ここでの暮らしを特別なものにしてくれます。

私が働く保育園の近くにも海や公園があり、子どもたちと一緒に海沿いを散歩したり、公園で虫を探したりするのが日常です。自然が保育の一部として溶け込んでいる環境が、私はとても気に入っています。

プライベートでも、今週は空き時間を利用してふらっとDeep CoveLynn Canyonへトレッキングに出かけてきました。こうして気軽に自然に触れられる環境があるおかげで、日々のストレスも軽くなるように感じます。

Lynn Canyon Park
Lynn Canyon Parkにて

ちょうどいい都市のサイズ感

バンクーバーのもうひとつの魅力は、「都会すぎず、田舎すぎない」絶妙なサイズ感です。

街全体がコンパクトにまとまっていて、公共交通機関も発達しているため、移動にそこまでストレスを感じることはありません。(ただし、ダウンタウンでの車移動は渋滞が多く、やや不便に感じることもあります。)

ショッピングモールやカフェ、レストランなど都市的な利便性を享受しながらも、少し歩けば緑豊かな公園や自然が広がっていて、都会と自然のバランスがとても心地よく共存しているのがバンクーバーの特徴です。


✔快適な夏の気候

続いての魅力は快適な夏の気候です。バンクーバーの夏の平均最高気温は約22℃で湿度が低くカラッとしているのため、日本の夏と比べるととても過ごしやすく感じます。蒸し暑さも殆どなく、日陰に入れば涼しいのが特徴です。

また、夏は日照時間がとても長く、夜9時過ぎまで明るくなります。夕方以降でも外でのアクティビティが楽しめるので、1日がとても充実したものになります。
青空の下での読書や、友人とのバーベキュー、ピクニックなど、外で過ごすのが楽しい季節が数ヶ月続くのは、バンクーバーの大きな魅力の1つです。


✔ 多文化な社会と移民への寛容さ

バンクーバーは多国籍な人々が共に暮らす、多文化社会で、それもまた大きな魅力の1つです。英語が第二言語である人も多く、言葉に自信がない人でも受け入れられやすい雰囲気があります。

個人的な体感では、オーストラリアのケアンズやメルボルンも寛容だと感じましたが、バンクーバーは特に英語に寛容な街だと思います。

また、アジア系住民の多さから、日本食材店やアジア系スーパーも充実しており、食生活にも困りません。ユニクロや無印良品などの日系ショップが身近にあるのも有り難いポイントです。

The Lebanese food I had with my friend the other day in Vancouver
先日友人と食べたレバノン料理。
世界各国の料理が楽しめるのもバンクーバーの魅力

日本人コミュニティの存在

留学やワーホリで渡航する際、日本人コミュニティの存在については賛否が分かれることもあります。

でも、実際に暮らしてみると、情報交換や心の安定という面で、日本人コミュニティの存在がとても大きな支えになることがあります。

私自身、移住して最初の1〜2年は、そのありがたさにあまり気づいていませんでしたが、海外生活が長くなるにつれ、日本人の友人や同僚の存在が、精神的に大きな助けになっていると実感するようになりました。

誰とどう関わるかは全て自分の選択次第です。日本人が多い都市であっても、日本語話者以外の人と積極的に交流するのか、それとも日本人同士で集まることが多いのか、そのバランスは自分で決められます。

うまく環境を使い分ければ、日本人が多い場所でも、英語力をしっかり伸ばすことは十分可能だと思います。


✔ 日本への直行便がある安心感

日本への直行便があることも魅力の一つです。カナダと日本は距離こそあるものの、バンクーバーからは日本への直行便が複数就航しているため、長距離移動の負担が軽減され、割と気軽に一時帰国することができます。近年はLCCのZIPAIRも就航し、以前より手頃な価格で一時帰国できるようになりました。

さらに、空港までのアクセスもスムーズで、スカイトレイン1本でダウンタウンから30分ほどで着く点も助かっています。


✔ アメリカや中南米へのアクセスが良い

また、バンクーバーに住むメリットのひとつに、アメリカや中南米への旅行がしやすいことが挙げられます。

特にシアトルへは車やバスで3〜4時間ほどでアクセスできるため、日帰り旅行も可能です。
ハワイやメキシコへ休暇で訪れる人も多く、南米の各都市へも比較的アクセスしやすいのが魅力です。


ミートアップが多い

バンクーバーでは「Meetup」などを利用した趣味や交流のイベントが非常に活発で、それもまた魅力の1つです。
ヨガ、言語交換、ボードゲーム、ハイキングなど、自分の興味に合わせて誰でも気軽に参加できます。

以前オーストラリアに引っ越したカナダ人の友人は、「移住先としてゴールドコーストと迷った結果、ミートアップの多さを理由にブリスベンを選んだ」と話していました。

バンクーバーも同様に、沢山のイベントが開催されているので新しい人と出会いたい人にとっては友達が作りやすい環境だと感じています。
特に夏はみんな社交的になるので、ビーチなどの外出先で思わず友達ができることも珍しくありません。


健康志向なライフスタイル

さらに、バンクーバーでは健康やウェルネスを大切にする人がとても多く、自然と健康的な生活習慣が身につきやすいです。

街中にはヨガスタジオやジムが点在しており、夏になると無料のヨガクラスやズンバクラスなど、野外フィットネスイベントも開催されます。また、ランニングクラブやハイキング、バレーボールのミートアップ、ヨガ・ダンスなどのレッスンを通して、体を動かしながらコミュニティを広げることもできます。

各地域のコミュニティセンターでも、身体を動かせるさまざまなクラスが用意されています。


以上が、私が実際に暮らして感じたバンクーバーの魅力です。

バンクーバーの注意点(デメリット)

Lonsdale Quay on a Rainy Day

続いてバンクーバーの注意点(デメリット)をご紹介します。


冬の気候

はじめにご紹介するのは、バンクーバーの冬の気候とその長さについてです。自然が豊かで夏はとても快適な一方で、冬には少し注意が必要な点もあります。

というのも、「Raincouver(レインクーバー)」というあだ名があるほど、バンクーバーの冬はとにかく雨が多く、どんよりとした日が続きます。特に10月から3月頃までは本格的な雨季に入り、晴れ間がほとんど見られないこともあります。

気温はカナダの中ではかなり穏やかで、12月から2月の平均気温は4〜5℃前後平均最高気温は6〜8℃、最低気温は1〜3℃ほどです。雪が積もるのは年に数回程度ですが、湿度が高く体感温度は低く感じやすいです。

冬の間は日照時間も短く、毎日のように雨が降るため、外に出るのが億劫になったり、気分が沈みやすくなる人も少なくありません。
特にメンタルに影響が出やすい方は注意が必要で、SAD(季節性うつ/Seasonal Affective Disorder)に悩まされるケースもあります。

ちなみに職場の園では雨の日でも関係なく子どもたちと外遊びします。レインコートやレインブーツは必須アイテムです。

また、日照不足によるビタミンD不足対策として、サプリを取り入れる人も多いです。


✔ ダウンタウンの治安

続いて取り上げたいのが、ダウンタウンの治安です。多くの都市と同様に、バンクーバーもエリアによっては注意が必要な場所があります。

私が初めて観光でガスタウンを訪れたとき、興味本位でそのまま東方向へ歩き続けてしまい、East Hastings Street(イースト・ヘイスティングス)に入り込んだことがあります。
そのとき目の前に広がっていた光景と空気感に、恐怖と強い衝撃を受けました。

このエリア周辺では、ホームレスの方や薬物使用者が多く、特に初めて訪れる人にとってはかなりショッキングに感じるかもしれません。

とはいえ、バンクーバー全体が危険というわけではありません。
気をつけるべきエリアが明確にあるというだけです。

外出する際は特に以下のような基本的な防犯意識を持っていることが大切です。

  • 危険エリアには近づかない
  • 夜遅くの一人歩きはできるだけ避け、明るく人通りの多い道を通る
  • 深夜の帰宅はUberやタクシーを利用する
  • 初めて訪れるエリアについては、事前に下調べをしておく

こうした最低限のリスク管理を心がければ、バンクーバーでの生活は基本的に安全に過ごせると感じています。


物価の高さ

バンクーバーに住んでいると、誰もが一度は直面する問題があります。それが「物価の高さ」です。特に家賃の問題に直面することになります。

この地域はカナダ国内でもっとも家賃が高い都市のひとつとして知られており、最近は多少落ち着いてきたとはいえ、住まい探しの難しさや賃料の高さは今なお深刻な課題です。

バンクーバーでの暮らしを考えるうえで、生活費、とくに住居費の高さは覚悟しておくべきポイントです。

ワンルームや1ベッドルームのアパートは、市内中心部だと月$2,000〜$2,500以上が相場。
ルームシェアやベースメント(地下住居)であっても、個室で$900〜$1,300ほどかかることが多く、立地や条件によってはさらに高額になることもあります。

また、家賃以外の生活費も決して安くはありません。さらに、チップ文化があるため、レストランや美容院、配達サービスなどを利用するたびに、料金の15〜20%程度を上乗せして支払う必要があるのも負担となります。


✔紫外線の強さ

意外と見落とされがちですが、日常生活の中で気になるのが「紫外線の強さ」です。

バンクーバーの紫外線は日本よりもかなり強いです。特に夏場の晴れた日には、紫外線指数が日本の2〜3倍になる日もあり、短時間でも日焼けしてしまうほどです。

空気が乾燥していることもあり、日差しの強さを体感しづらいのですが、油断していると肌が赤くなったり、シミや乾燥の原因になったりします。

一年中、紫外線対策は欠かせません。特に屋外で過ごす時間が増える夏は、日本よりも念入りな紫外線対策が大切だと実感しています。

また、カナダで市販されている日焼け止めは、べたつきやすく白浮きしやすい製品が多いので、使い心地にこだわる方は日本からお気に入りの日焼け止めを持参するのがおすすめです。


✔バンクーバー周辺の海事情

バンクーバーの海は、オーストラリアや南国のビーチのような白砂や透明な美しい海を期待すると、少しショックを受けるかもしれません。
水質や透明度はやや劣り、年間を通して水温が低いため、泳ぐにはかなり冷たく感じるからです。

その一方で、湖の水はとても綺麗で、透明度の高い場所も多いのが魅力です。夏場には湖畔でのんびり過ごしたり泳いだりする光景がよく見られます。

また、毎年1月1日に行われる「ポーラーベアスイム(Polar Bear Swim)」というイベントでは、現地の人々が氷のように冷たい海に飛び込むという伝統があり、バンクーバーの冬の風物詩として定着しています。

個人的に面白いと感じるのは、カナダ人との体感温度の違いです。自分が上着を着て寒いと感じているときに、カナダ人の同僚は暑いと言って半袖で過ごしていることが多々あります。海や湖の冷たさについて話していたときも、「The cooler, the better!(寒ければ寒いほどいいんだよ)」と言っていました。

こうした感覚の違いも、海外生活ならではの面白さの一つだと思います。

Sunset from English Bay
イングリッシュベイからの夕日

✔日本との時差

海外生活をする上で、もう一つ見逃せないのが「時差」の存在です。特に日本と連絡を取り合う必要がある方にとっては、大きな壁になることもあります。

バンクーバーと日本の間には17時間の時差があり毎年3月中旬から11月初旬まで適用されるサマータイム(デイライトセービング)中は時差が16時間になります。

オーストラリア(シドニーやブリスベンなど)と日本の時差は1〜2時間程度なので、連絡が取りやすいのですが、それに対して北米の西海岸にあるバンクーバーは、「日本と真逆の時間帯」になることが多く、ビジネス・プライベート問わず、スムーズなコミュニケーションが難しく感じる場面があります。

特に仕事で日本時間に合わせたミーティングがある場合は、早朝や深夜に対応せざるを得ないこともあり、生活リズムが乱れやすいです。

またプライベートでも、お互いの生活リズムや時差の変化に対応しながらコミュニケーションをとる必要があり、時差による孤独感を感じることもあります。時差は海外生活において避けて通れない課題の一つであり、オーストラリアなどと比べるとややハードルが高いと感じる点でもあります。


✔医療面

海外で生活する際に気になるのが「医療制度」です。

カナダの医療制度は基本的に予約制で、特に一般医(GP:ジェネラル・プラクティショナー)にかかるには事前予約が必要です。そのため、急な体調不良でもすぐに診てもらえないことが多く、待ち時間や予約までの期間が長くなるケースも珍しくありません。

ただし、永住を考えていない場合や短期滞在者にとっては、このあたりの不便さはそれほど大きな問題にならないかもしれません。必要に応じて、プライベートクリニックやトラベルクリニックを利用する方法もあります。

また、歯科治療はカナダ全体で費用が高めです。これは多くの国でも共通しており、保険が効かないケースが多いため、渡航前に必要な治療は終わらせておくと安心です。


✔ビザ関連の手続き

海外生活に欠かせないのが「ビザの手続き」。カナダに限らず多くの国で共通することですが、これが想像以上にストレスフルな一面を持っています。

ビザ関連の手続きは非常に時間がかかることが多く、対応の遅さにストレスを感じる人も少なくありません。

書類の不備を指摘されたり、追加提出を求められることで予定していたスケジュールに影響が出たり、精神的な負担が増してしまうこともあります。

カナダのビザ手続きはオンラインで進められることも多いですが、その分「今どこまで進んでいるのか」が見えにくく、不透明さに不安を感じることもあります

海外生活では、こうした手続きの待ち時間もまた「想定内の出来事」として受け入れる心構えがあると、必要以上に疲れずにすみます。


✔実用性重視のファッション

次に触れたいのは、バンクーバーでのファッションの傾向についてです。
カナダ西海岸のこの街では、ファッションにもその土地柄がよく表れています。

バンクーバーの人は健康やアウトドアを大切にしているため、ファッションも実用性を重視する傾向があります。動きやすく機能的なウェアが多く、スポーツブランドやアウトドアブランドの服装が街中でよく見られます。

そのため、華やかでトレンド感あふれるファッションを期待していると、少し物足りなく感じるかもしれません。ファッションに強いこだわりがある方や、おしゃれを楽しみたい方にとっては、少し魅力を感じにくい部分です。


以上が、実際に暮らしてみて感じた、私なりのバンクーバーの注意点(デメリット)でした。

まとめ

The view of Vancouver

バンクーバー移住に「向いている人」と「向いていない人」

バンクーバーは多くの魅力を持つ都市ですが、どんな都市にも向き・不向きがあります。実際に暮らしてみて、自分に合っていると感じるかどうかは、その人の価値観やライフスタイルによって大きく変わってきます。

以下のような点で、向き・不向きが分かれることが多いです:

◾ 自然派か、都会派か

バンクーバーの一番の魅力は、なんといっても自然の豊かさ。登山やハイキング、SUPなど、アウトドアを楽しめる人には、最高の環境です。


一方で、東京やニューヨークのような大都市の刺激や、カルチャーやエンタメを求める人にとっては、少し物足りなさを感じることもあります。

◾ 寒さ・雨に強いかどうか

バンクーバーの冬は、長くて雨が多く、日照時間も短めです。


気候によって気分が左右されやすい人や、日差しがないと元気が出にくいタイプの人には、バンクーバーの冬は耐え難いかもしれません。


逆に、家で過ごすのが好きな人や、雨でもアクティブに動けるタイプの人は、バンクーバー生活が向いていると思います。

◾ 英語環境をどう作るか・コミュニティの広がり方

バンクーバーには日本人コミュニティも多く、情報交換や心の支えになる反面、英語環境を求めている方にとっては、自分次第で環境が甘くなってしまうことがあります。


誰とどう関わるかは自分の選択次第なので、英語環境を優先しつつ、日本人コミュニティも上手に活用することで、バランスのとれた人間関係を築くことが出来ます。

英語が苦手な人や海外初心者にもおすすめ

英語が得意ではなかったり、海外生活が初めてという人にも、バンクーバーは比較的住みやすい都市だと思います。移民の多い環境と、多文化に寛容な雰囲気があるので、居心地が良いと感じやすいはずです。

実際にバンクーバーに住んでみての感想

正直なところ、バンクーバーに住み始めた1年目は、街の魅力がいまいちよく分かっておらず、まあ好きかな?という程度でした。
しかし、友達が沢山できてコミュニティが広がり、遊び方や過ごし方にもバラエティが出てきた頃から、どんどんこの街が好きになっていきました。

もちろん、日本の快適さや便利さと比べれば、妥協しなければならない部分も少なくありません。
それでも今の自分は、豊かな自然に囲まれながら、特に仕事の面で日々チャレンジし、成長できるこの環境にやりがいを感じています。

最後に

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

前回の記事でも書いたように、「どの都市を選ぶか」で一番大切なのは、自分に合っているかどうかだと思います。自分の価値観やライフスタイルに合った選択をすることが、納得のいく移住につながると感じています。

これからバンクーバーへの移住を考えている方にとって、この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。

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